テニミュ3rdシーズン青学VS六角

テニミュ3rdシーズン 青学VS六角 終演おめでとうございます。

8代目青学が卒業し、新青学との初公演となった青学VS六角公演、「爽やかな新風が巻き起こる!」というキャッチコピーの通り、とてもフレッシュな公演でした。

 

幕が上がるとともに現れる跡部のシルエット。

優雅な身のこなしで跡部がラケットを拾い上げると、あの熱かった氷帝公演を想起させるようなBGMとともに始まる〈熱き戦い2016〉。

六角チームは初日からすごく出来上がっていた印象でした。チームの中に一人経験者である佐藤君が居る、という利点ももちろんあるかもしれませんが、お歌もベンチワークも素敵でした。楽日の日替わりに〈コートで会おう!〉を歌っていて、「(首藤は)居なかったから分からないよ」的な発言をしていて、メタ発言だけれど首藤のキャラクター性と事実が絡まって面白かったです。

クリスマスの一幕終わりの氷帝幕間で跡部が「お前らもクリスマスプレゼント(投げキッス)欲しいか?…やらねーよ」と言っていて、二幕始まる前の六角幕間でバネさんがかぶせて笑いを取っていたのが、本当上手いな!?と思いました。

 

ダンススタジオで踊る跡部は、誰にも見られず、一人黙々と努力を重ねているようで、その姿は息が漏れるほど美しく優雅でした。 

〈水面のナルシス〉はその直前の忍足の台詞「あのプライドの高い跡部が…」を印象付けるかのように存在していました。1st及び2ndシーズンで歌われていた〈鏡の中の俺〉の跡部は、現在進行形で「戦っている」跡部でした。プライドが高いからこそ自分の中のギャップに戸惑い、それを打破しようとしていたが、〈水面のナルシス〉の跡部は「状態」を歌っているようでした。

私たちはその後の跡部を、全国大会で再び青学と会いまみえた際にどんな戦いをするのか、新テニスの王子様でどう苦しみ、成長するのかを知っているので、まるで水面の自分自身に見惚れるナルキッソスのような跡部に違和感を持ちます。

しかし、あの場面では忍足の言う「あの跡部」を印象付けることによって、「俺様とともに全国までついてきな」と見得を切る跡部に高揚感を得られるようでした。

また、〈水面のナルシスⅡ〉では氷帝メンバーがそれぞれ跡部について「あいつはこうゆう奴だ」と歌っています。氷帝メンバーという他者からの客観的評価を得ることにより、それは偏りがある不健全な自己愛ではなくなり、他者評価を得た健全な自己愛へと成長します。それは同時に跡部が他者を認め他者愛へと繋がり、自身を捕らえていた水面が割れ、氷帝の絆が濃くなり一丸となったように感じました。

 

私自身の東京楽の次の観劇が凱旋初日となりました。2ndシーズンの四天宝寺公演あたりから凱旋公演からの演出変更が多くなりました。今回の演出変更*1が個人的には好ましく感じられず、見ていて少し辛かったです。

リョーマ役のにちかくんは変声期のためかまだうまく声を扱えないような印象でしたが、〈プレッシャー〉の歌い方がぐるりと変わっていて、とても胸がつまりました。現状と相まって、赤也VS橘を目撃してどうにかして現状を打破しなければ、という不安を伴う閉塞感が伝わってくるようでした。

その後、手塚が現れ、「プレッシャーを感じているのか?」とリョーマに問います。「俺は強くなりたい」という漠然とした願望を掲げるリョーマに、手塚は「お前は青学の柱になれ」という具体的な試練のような目標を与えます。「青学の柱」という目標を得たリョーマは一人で目の前にある道を見据えますが、〈スタンバイ〉でその後ろには先輩たちがいることに気がつきます。

そして次はついに関東大会決勝。先ほど目撃した赤也もいる立海大付属と対峙します。それぞれが立海について発言する中、リョーマは「俺は強くなる」と答えます。仲間の存在に気づいたリョーマが願望から意思へと変化したような印象を受けました。

〈プレッシャー〉〈ROAD〉〈スタンバイ〉の流れが改めてとても美しくて、これからにちかくんのリョーマがどんなリョーマになっていくのか楽しみです。

 

にちかくんは挨拶の時は終始ニコニコしていて涙をかけらも見せず(前座長が泣き虫さんだったのも可愛かった)、ポジティブにマイペースな言葉を使うところに頼もしさを感じます。

 

4月の氷帝チームライブを挟み、青学としては次はドリームライブです!

まだ試合をしていないリョーマドリライで見る、というのが初めてなので、とても不思議な感じがします。なので、どんな曲をやるのかな~とか、リョーマとしては過去に戦った亜久津も日吉もいるので、戦うのかな…!?とドキドキします。

会場もDREAM LIVE 2013ぶりの横浜アリーナで、改修後はまだ行った事ないので、それもとても楽しみです。

*1:

凱旋前

・越前が葉っぱに八つ当たり後、鐘の音のゴーンという音に対し「親父ぃ!怒」と退場。

・桃城がサーブを当てるも切り株は微動だにせず。持ち去る際に「手塚ぁ!…部長~~~!!」

・ボートのオール。カチローとカツオがブルーシートを持って現れ、ゴボゴボというSEとともにブルーシートで海堂を巻き込み退場。

 

凱旋

・八つ当たり後、つつつ…と蜘蛛が越前の眼前に登場。「うわっ」と驚いた後、「親父ぃ~~!焦」と退場。

・桃城がサーブを当てると、切り株が傾き、倒れそうで倒れないギミック。持ち去る際に「手塚部長~~!の、根っこ~~!」

・巨大なオール。海堂「あれは…オール!捕鯨船のオール!」ブルーシートなし。

・(2/9・2/10)「大石あれすごかったよな、お前もムーンボレーでカラスを落とすやつあっただろ?」という手塚の台詞。「え?」と驚く大石。

「やってみせてくれ」と、疑問符を持ちながら、手塚のときと同じSE・エフェクトでムーンボレーを打つ大石。「グエッ」というSEとともに天井からボトリとカラスが落下。

そのカラスを手に狂ったように笑う大石。「お前、性格変わったな」という手塚の呟きにハッと目を覚まし、「あっごめんな~焦」とカラスを労わる。下手からカツオがでてきて、カラスを受け取ってはける。「大丈夫かな…」と心配しながら見送る大石。

(2/11昼)「ムーンボレーでボールを飛行機に当てるやつ」に台詞変更。「グエッ」というSEあり。大石「そんなことできるわけないだろ~~~!」

(2/11夜以降)SEなしに変更。