ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学vs不動峰 感想

というか青春とは、またはテニミュとはなんだという私見

 

■「青春」の自覚

サルトルの言葉に「青春とは、奇妙なものだ。外部からは赤く輝いているが、内部ではなにも感じられない」ともあるが、

「青春」とは渦中にいる当該者には認識できず、

(1)外から見ている、過去に「青春」を経験した傍観者が、

もしくは

(2)過去を振り返り初めて当該者が、

「青春」と認識できるもの、ではないだろうか。

 

ゴールデンペアが『宿命ジャンクション(曲名が判明していないので後日修正)』で、「俺たち青春の途中」と歌うが、真っ只中にいる認識できないはずの該当者が「青春の途中」と歌うことは自身の現在の感情の吐露ではなく、「今の状態が青春であるということ」を誰かに歌わされているように感じた。

また、冒頭は青春学園の卒業式から始まる。答辞を読む手塚、見送る2年生たち、乱入するリョーマ。そこから一転、原作冒頭のリョーマが電車の中で佐々部に出会うシーンへと時間は遡る。

全国大会も終了し、ドイツへ向かうと宣言する手塚という確定された未来から過去に戻ることによって、未来という定点から見る「回想」ともいえるようであり、総じて言うと今回は(1)の「他者からの視点」及び(2)の「未来からの視点」が加わることによって、没入感のある体験とは異なるように感じた。

 

テニミュにはかつて「青春体感ミュージカル」というキャッチコピー(※2ndシーズンVS関東氷帝が初出?)が存在したが、今回は「青春の体験の仕方」が異なるように感じた。

今までの(~3rd)は「青春体感」、4thは「青春郷愁」のような印象だった。

「青春体感」とは私たちの肉体がその渦中に存在し、どのような未来になるのか分からないままハラハラドキドキを胸に登場人物と共にリアルタイムで歩みを進めるような印象だ。

「青春郷愁」は「こんなこともあったな」「自分にもこんな時代もあった」としみじみと思い出すような、肉体は現在に存在したまま過去に思いはせ「回想」するような「郷愁」と表現できるような印象だった。

また、「青春郷愁」と考えられるのは井上という存在も大きい。

かつてテニスプレイヤーを目指しながらもそうはならず大人になった存在であり、かつての自身の憧れの存在である南次郎に対し思い出を重ね、ここでも「青春」という言葉を用いている。

ここでの「青春」は(2)にあてはまり、観劇に足を運ぶ層もどちらかというと中学生側ではなく井上側の年齢であるが故に、青春時代より年を重ね「青春はいいものだ(った)」「まだこれからだ」と自分を重ねる立ち位置かのように感じた。


■「テニミュ」を構成するものと「テニミュ」に求めていたもの

私の中では初観劇後「おもっていたものとなにか違う」となり、自身の中で「テニミュ」に対して何を求めていたか、自身の中で「これがあればテニミュ」と思っていた核はなんだったのかを考えた。

おそらくだが私は、「試合観戦」と「世界観消費」がしたかったのだと思った。

 

テニミュにおける試合は、言ってみれば「分かっている結果」である。

完結済みの原作があるということは試合結果が既に存在し、原作既読の者はその結末を知っている、または原作を知らずとも大筋が「物語の主人公(主人校)であるリョーマ及び青春学園が全国制覇をする話」であることはなんとなく把握している。

しかし、それを全部忘れてただただ試合に熱中したい。リアルタイムで進行する試合のようにどちらが勝つのか、どのような展開で勝つのか見届けたい。その熱中を作っていたのが稽古中にメトロノームで訓練されたテンポ感とクセのある楽曲による高揚感だった。試合そのものが1つの劇でありその中で起承転結に従い展開していくショートストーリーだ。

4thは試合時間や描写は比較的簡素で感情の揺れが少なく見える代わりに、冒頭のリョーマのテニスコートでの振る舞いや2年生からのいじめシーン等によるキャラクター付けや不動峰の過去の暴行シーンによる立ち位置の表現等の試合以外での表現や描写がじっくり表現されているように感じた。これは演出家がダンスやショーの演出に携わっていた上島先生から三浦さんに変わったことでがらりと表現したいもの・見せ方が変わったようだった。

 

さらに「世界観消費」については、佐々部や非レギュラーの2年生といったセリフを持ちビジュアルも表現されたキャラクターが増えたことにより青学と対戦校しかいない「テニスでこの試合に勝つことだけがこの世界の総て」という箱庭のような煮詰まった世界観が薄まり世界が広がったようだった。

タイトルのついた対戦校以外の中学生や記者だけでなく、監督や両親等の大人やテニスに関心もない同級生等も存在し、高校受験も宿題も家庭内のごたごたも恋愛ごとも疫病も存在するようなそんな自分たちと変わらない世界がそこにあり、卒業後にテニスを辞め就職する未来すらもある。「テニスで勝つことが総て」というある意味歪んだ熱狂のような軸だったものが「部活」という軸になったように感じた。

特に原作の序盤ではバギーホイップショットやツイストサーブ等の実現するような技が必殺技として展開され奇想天外な技や世界観が薄いため、このような現実感を感じるだろうかとも考えられるが、今後奇想天外な技や試合が展開された際に演出にどのような変化が生じるのだろうか。

 

■感想

2nd・3rdでも「リョーマ入部~不動峰戦」という同様の流れは同じだったが、前作ではカットされたシーンも多く原作を把握していないと流れが把握できない場面も多かったが、今回は上演時間が大幅に増え丁寧にストーリーを紡いでいるようにも見えた。

そのためか全体的に綺麗にまとまっている印象だったが、それ故(これは慣れかもしれないが)突拍子さやサプライズには欠けていたようにも見えた。

サプライズは従来のシーズンを見ていた客へのサービスのようなものだと思うので、新規の、特に今回テニミュに触れるのが初めてという方にとっては見やすい公演だったと思う。

また卒業式に関しては最終巻に掲載されている小説のくだりだが、『新~』ですでに手塚はドイツに行っているのでは…?という食い違いが、現在新テニのミュージカルが同時進行でも興行が行われていることもあり気になってしまった。

「いつもの味」も欲していた上、「スパイスたっぷりの新作味変トッピング」も期待していた私にとってはいささか物足りなさを感じてしまった。

2020年2月

テニミュ(福岡・東京凱旋)

 1か月超ぶりにテニスを観て、彼らの芝居が一段階変わった感覚を体験できるのが本当に長スパン公演の醍醐味だと思った。

『辿り着け 天衣無縫の極み』の立石君の「暗中模索から~」の感情ののせ方がぶわっと良くなっていてすごく苦しくなって泣いてしまった。

福岡公演でめちゃめちゃ久しぶりに最前列に座らせて頂いて、ライバルズが舞台前方に走り込んでくるときに風を感じた…ソレイユの最前列って特A列っていうんですね…

 

◆Readyyy

恵比寿ガーデンホール!ドリンクにエビスビールが置いてある稀なライブハウス!!!

端の方でしたが最前の柵を取れたので、すごく楽だった。今回、PVでキャラクター達が踊っている振り付け・構成を再現してくれてすごく感動した。 

 

◆サンフェス(氷帝・ルドルフ)

 このご時世の中、なんとかギリギリ開催してくれて本当にありがたかった。結果的に「テニミュキャスト」として登壇する彼らを生で見た最後の機会となってしまった。

3rdはTSCPPが9代目からなくなり、縦断イベ以外で公演振り返りを聞くことができなくなってしまったのが寂しいですが、その代わり文化祭であったり今回のサンフェスのようにアットホーム寄りなイベントを企画されていて面白かったです。

 

2019年12月まとめ

モーニング娘。'19秋ツアー(代々木)

娘。ちゃんが代々木体育館!嬉しい!

この時期、日プの辞退問題とダニエルのアンチの攻撃による療養の話があって、「何のためにエンターティンメントを見て、誰かを好きになって応援しているのに誰も救えないんだろう」とずっともやもやと考えていたのだけれど、行って良かったなぁと思った。

最後の挨拶の時にあゆみちゃんが「私たちに頼ってください」と言ってくれて、一番救われたかったのは私だったんだな~とボロボロ泣いてしまった。

 

◆ハイキュー

前烏野が卒業して新烏野体制になりました。

今回は全体試合がなく合宿編となったので前哨戦というイメージでしたが、今までずっとあった八百屋舞台がなくなっていて、まだ変化が続くような感じがしました。

個人的には廣野くんがテニスラケットを振る場面があり、完全にテニミュに出ていた子の振り方だったので「テニミュ見たい」の気持ちになりました。

 

テニミュ「青学VS全国立海 後編」

3rdシーズンラストの本公演。まぁチケットが取れなくてツライ。

2階で見た初日公演はあまりにもシナリオ通りという感じだったし、そこからプラスされた跡部のブリザードがめちゃ羨ましくてかっこよかった。

 

◆KID VICTORY

2019年観劇収めでした。

小さなコミュニティの中で、もがけどももがけどもどうにも救われない感じがして苦しかった。

100人入るかどうかぐらいの小劇場でのミュージカルでしたが生演奏ですごく贅沢をした気分だった。 

2.5にしろグランドミュージカルにしろ内容を知らない舞台だと少しあらすじを読んでしまうクセ(?)がありますが、もったいないし観劇する前から誰かの感想を読んでしまうと自分の観方もそちらに寄ってしまう感じがしてやめようと思った。

 

Hello!Project カウントダウンコンサート 1部

4時間半という長丁場なのを行きの電車の中で知る。休憩を挟むのも現地で知りました。

2019年に一番最後に聞いた娘。の曲が「みかん」で、今年一楽しかった現場のロッキンを象徴するような曲ですっごく楽しかった。 

 

9-12月は日プに狂いまくっていました。他のオーディション番組ほぼ見ないんですが「プデュ」というフォーマットが好きなんだろうな…。1pickさんデビューおめでとうございます!!!

 

2020年1月

ハロコン初日

新年あけて踊り狂うあゆみちゃんを見て、今年も好きだと思う。

女性専用席の通路そばだったんですけど、降臨でまーちゃんとまりあがぐるぐる鬼ごっこしていたのがかわいかった。  

 

◆文豪とアルケミスト

2作目らしく、あらすじを予習しなくてもなんとなく話の流れが分かった。

会場がステラボールでしたが、ステラとTDCのアリーナのサイドって同じような感覚で首が痛い。あと、客席からロビーへの出入り口が下手の1カ所しかないので、上手寄りの席だともし体調が悪くなって途中抜けしようとすると、ステージ前を通って行かないと外に出られないのがキツい。

さすがのライブハウスなので低音がビシビシに響いていて私は好きだった。 

 

◆舞台 鬼滅の刃

チケットをなんとかゲットして観劇してきました。物販並んでいる時に中国語や韓国語を話しているお客さんもいらっしゃってすごいなぁと感じる。

当初はアニメ放送分を全部上演する予定だった*1と聞いて無茶すぎると思ったし、今回は那田蜘蛛山前まででしたが、それでも早回しな感覚だった。植田くんの徹底した善逸ボイスも陽の雰囲気を作っていくのも力量を感じた。

 

◆QAL(QUEEN & ADAM LAMBERT

映画にわかだけど楽しかった。

プロ仕様カメラでなければ写真や動画もOKなのは面白いし、今まで通ったコンサートとは違った客層だったのも面白かった。

 

◆悪霊

 劇場に行くまでの道すがら美味しいケーキ屋さん見つけてソーハッピー!でした。

小劇場行くたびにお尻と腰を鍛えねば…と思ってしまう。

 

感想とは別ですが、俳優の推しをかれこれ10年近く推していましたがすとんと思うところがあったのでこの舞台を最後に降りました。

2019年11月

■流れ星

また幸運にも最前列を頂けて嬉しかった。

私は顔を覚えられていないタイプのオタクなのですが、今回の公演で前説中の写真撮影OKタイムの際にめちゃくちゃ目線を頂けて、「たまに見かける自分のファンの顔」の一部に入ってるのかなぁと思ってちょっと嬉しかったりしました。

というのも、今回の公演はおそらくですが前売りがそんなに売れてなかった(別にそれはみつやさんの所為ではまったくもってない)のと、稽古でうまくいかないことが多く精神的に落ち込んでいたようだったので、「あなたのファンがいるよ!」という自信に結びついていたらいいなぁと思っていました。

ちょいちょいブログの発言を見ていると、FCでの申込数や発券率をみつやさん自身が把握されてる印象で少しびっくりしました。


■ダニエルペンミ inソウル
やっと本国開催されてすごく嬉しかった。

これを書いている時点は1月なので、今めちゃめちゃに寂しくてただ待つことしかできないし、果たして待っていることすらもダニエルへの重荷になっていないだろうかと考えてしまいます。

ダニエルがただ健康で幸せであればいいとずっと願っています。

 

■あゆりさイベ

梨沙ちゃんの最後のFCイベントで、ただただ二人が仲良しなのを見せつけられるイベントでした。笑

あゆみちゃんが相模でのコンサートの時、「山木梨沙ちゃんって友達ができて…あっ友達って言ってもいいのかな!?」と不安がっていたんですが、なんであんな不安がってたんだと思うぐらい「仲良しやん…」というトークコーナーでした。

ライブコーナーもお互い向かい合って歌唱してエールを送りあうような場面もあり、自分たちで構成を決めたとも言っていて寂しくなってしまいました。

 

娘。コン(相模・山形・前橋)

今回初めて(自分の中では)たくさん公演に入りました。

FCでチケットを取ったのもあって、表情が見える近さで見られる機会がたくさんあり、キラキラとした表情をクルクル表情を変えながら歌い踊る娘。ちゃん達を直に見られてまた好きになってしまった…。
私はファミ席よりも一般席が好き(あゆみちゃんのパートでサイリウムを上げたい)なのですが、
一回マサイとまでは言わないまでも推しジャンがすごい方が隣の席にいた時があって、ぶつからないか・足踏まれないか公演中ヒヤヒヤして集中できなかったので、「ジャンプ禁止」の経緯は少し分かるかなぁとちょっと思いました。

2019年10月まとめ

テニミュ運動会

楽しかった!キャラクターという外側が存在するエンターティンメントなんですけど、基本的に10~20代の男の子達が集まればそりゃあ「ガチ」な運動会になります。

ガチで悔しそうだし、ガチで嬉しそう。

でも時々キャラクターをちゃんと守ってくれていたり、ゲーム進行のバランスを考えてくれていたりするのも大好き。

ゲストの8代目はどこまでも8代目で、違う方向の自由人4人に自分も自由人やりたいのに収集付かないからまとめてくださる本田くんという形でした。いつもありがとうございます。

 

モーニング娘。'19コンサートツアー秋 仙台

台風で前々日の札幌公演が延期となり、東北新幹線も止まっていたので公演するのかな、と思っていたのですが、前日に運行開始され遅延もなく運行してくださって感謝しかありません。残念ながら在来線は不通になっていた路線も多く、足を運ぶこともできなかった方もいらっしゃったと思います。

私的に初めての秋ツアーだったんですが、15期もフレッシュながらも怒涛のメドレーもこなしながら笑顔を振りまいてくれていて、すっごく可愛くて魅力的でした。

仙台公演に行くときは、あゆみちゃんに関して何かしら発表がないかドキドキしながら参加するんですが、夜公演のあいさつで「これからも私たちと一緒に大きな夢を見てください」と言ってくれていて、「これから」があることを大切にしたいです。

 

フラガール

お芝居最近全然観れていなかったから観たかったのと、舞美ちゃんが見たくて。

話を知っているはずなのにボロボロに泣いてしまった。

時代背景からか「女なのに!」「男だったら…」みたいなセリフも多く、無駄に傷ついてしまった。

 

2019年9月まとめ

ハロコン

千秋楽が中野だったの私がはまってからは初めてだったので、千秋楽に入りました。

千秋楽スペシャルで公演替わりのシャッフルを両方ともやってくれてすごい嬉しかった。

 

◆Kang Daniel fanmeeting in台北

行ってきたー!初台北

ペンミは前方席でも座席有りなのは有難い。

たぶん別記事参照。

 

モーニング娘。'19シリアルイベント

台北ペンミの翌日、超特急で帰国してシリイベへ。

シリイベ行ったり行かなかったりしてますが、ただわちゃわちゃゲームしていたり、普段コンサートでやらないような曲とかもやってくれることが多いので、シリイベはシリイベで楽しい。

このイベントが15期加入前最後の登壇イベントになりました。

 

メサイア

初めてのメサイアでしたが、総まとめ回で最初からクライマックスだった。

小説だけ読んだので仕組みだけ知ってる状態だったので、ストーリーを理解するのは結構厳しかったなと反省しました。

 

テニミュ

今回やっぱり演出がだれてなくて面白いんですよね、なんでだろう…。

テニミュってあまり脱線?しないというか「いつも通り」な感じなんですけど、日替わりコーナーでオリジナルキャラ作って話題になってる冷上剛先輩は面白いです。

後編も三浦さんが演出について下さるので、本当に楽しみ!

 

最遊記朗読劇

ずっと漫画もアニメも見ていたんですけど、自分がイベントに行くとははまっていたあの頃を考えると感慨深い。

あまり朗読劇というものもイベントの中で少しだけやるという感じでやったことないというのもお聞きして、下手すると20年前そのままの声で目の前で再現されているのが、改めてなんとも不思議な感じでした。